存在論日記2008年3月/ 校庭の芝生化

校庭の芝生化

「子どもを取り巻く環境変化と精神的健康 ――校庭の芝生化プロジェクト――」という講演に関するメモ。

日時は2008年2月24日(日)14:00〜15:28、 場所は同志社大学今出川キャンパス明徳館1番教室、 講師は鈴木直人さん*1、司会は青山謙二郎さん*2。

鈴木さんの講演の骨子は次のようなものである。 「少子化による子ども社会の変質や、 核家族化による家族機能の消失などが原因となって、 現代の子どもたちは強いストレスにさらされている。 小学校の校庭の芝生化は、活発な身体活動をうながし、 交友関係を変化させるので、 子どもたちのストレスを軽減する効果がある」

講演後の質疑応答で、司会の青山さんが、 「校庭を改善する方法として、 遊具を置くなどの他の方法と比較して、 なぜ芝生化が最適だと言えるのか」と質問した。 それに対して鈴木さんは、 「子どもたちが一緒に遊べる環境であれば、 芝生でなくてもよい」と答えた。

小学校の校庭は、現在、 むき出しになった土の平面というのが一般的であるが、 それを改善すれば子どもたちの精神的な健康にとって 何らかの効果があるのではないかというのは、 自然な発想である。 しかし、青山さんも疑問に感じているとおり、 改善の方法として考え得るものは芝生化のみではない。 ビオトープ、雑木林、密林、岩山、廃墟、 空き地(土管があったりする)など、 いずれも子どもたちの想像力を刺激する 魅力的な空間であるように思われる。

私は、教育の多様性をいかに確保するかということが、 現代の日本における重要な課題の一つであると考えている。 初等教育においても、 画一的に実施せざるを得ない一部の教科を除いては、 それぞれの学校ごとに独自性を発揮することが望ましい。 そして、発揮しなければならない独自性は、 教科のみに限定されるものではない。 どのような校庭を作るのがよいかということも、 それぞれの学校が創意工夫するべき問題の一つではないだろうか。

*1 http://psychology.doshisha.ac.jp/suzuki/naotointro.htm
*2 http://psychology.doshisha.ac.jp/aoyama/aohome.html
存在論日記2008年3月/ 校庭の芝生化
Last modified: Tuesday, 11 March 2008
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