存在論日記2008年4月/ 進化論と創造説

進化論と創造説

「ノアの箱舟を読み解く――人間と動物のいのち論――」 という講演に関するメモ。

日時は2008年3月28日(金)14:00〜16:00、 場所は同志社大学今出川キャンパス神学館3階礼拝堂、 講師は村瀬学さん*1。

村瀬さんは、 「ノアの箱舟状態」という言葉をキーワードにして、 多くの種類の動物が箱舟という閉鎖された空間の中で 40日間(あるいは150日間)を過ごすという物語からは、 さまざまな問題を読み取ることができると指摘した。

ノアの箱舟の物語からは、村瀬さんが指摘した問題のほかにも、 さらにいくつかの問題を読み取ることが可能である。 たとえば、進化論と創造説との相剋をめぐる問題は、 その一つである。

キリスト教原理主義の人々は、 ダーウィンの進化論を承認することができず、 すべての種類の生物を神が創造したという創造説を信じている。 しかしノアの箱舟の物語は、 創造説よりもむしろ進化論のほうが正しいということを 示唆しているように思われる。

神は、すべての肉なるものを洪水によって滅ぼすに際して、 ノアに箱舟を建造させ、 すべての種類の動物を一つがいずつそれに乗せることを彼に命じた。 しかし、神がすべての種類の動物を創造したのだとするならば、 ノアの箱舟は不自然な物語のように思われる。 なぜなら、 人間に箱舟を造らせるというような回りくどい手段を使うよりも、 肉なるものをすべて滅ぼしたのちに ふたたびすべての種類の動物を創造するほうが 自然な行動のように思われるからである。

箱舟によって動物の種を保存する必要があったのは、 それらの種の生成過程を再現することが 不可能だったからではないだろうか。 すなわち、神が創造したのは原初的な動物のみであって、 それ以外の種は進化によって生成したということである。

*1 http://www2.dwc.doshisha.ac.jp/mmurase/
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Last modified: Saturday, 19 April 2008
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