存在論日記2009年/ ひょうごんテックメーリングリストへの投稿デビュー

ひょうごんテックメーリングリストへの投稿デビュー

私は、「テックカフェ」という名前の茶話会に、 たびたび参加させていただいている*1。

この茶話会を主催しているのは、 「ひょうごんテック」*2という組織である。 この組織は、関係者の間で情報を交換するために、 「ひょうごんテックメーリングリスト」 というメーリングリストを運営していて、 私もそこにメンバーの一人として登録されているのであるが、 登録からしばらくの間は、私の中に存在している勇気が、 そこに記事を投稿することができるレベルに達していなかった。 しかし先日、清水の舞台から飛び降りるつもりで、 自己紹介の記事を投稿してみた。 それは次のような記事である。

ひょうごんテックのみなさま、こんにちは。 第1回と第2回のテックカフェに参加させていただきました、 一神教学会の大黒と申します。 メーリングリストのほうは、 これまでずっとROMだったのですが、 いつまでもROMのままでは 登録していただいた甲斐がありませんので、 そろそろ記事を投稿してみようかな、と思った次第です。 しかし、提供できる話題が私には何もありませんので、 自己紹介でお茶を濁すことにさせていただきたいと思います。

私は、三度の飯より宗教が好きな、自称「宗教オタク」です。 宗教オタクと一口に言っても、 神学論争派やウォッチ派や探究派や渡り鳥派など、 さまざまな亜種が存在しているわけですが、私は、 宗教を開発することに楽しみを見出している、 「開発派」と呼ばれる亜種に分類される宗教オタクです。

宗教というものは、 人間というハードの上で実行される ソフトの一種なのではないかと思われます。 Eric S. Raymondさんの「伽藍とバザール」によれば、 ソフトの開発スタイルには伽藍方式とバザール方式の 二種類があるそうですが、 宗教がソフトの一種だとするならば、 宗教の開発スタイルにも 伽藍方式とバザール方式の二種類があるはずです。 しかし、人類がこれまでに開発してきた宗教は、 伽藍方式で開発されたもののほうが 圧倒的な多数派なのではないでしょうか。

ソフトにはバグが付きものです。 宗教も、ソフトであるとすれば、バグから逃れることはできません。 十字軍を派遣したり異端者を火あぶりにしたり 性的マイノリティーを迫害したり集団で自殺したり 輸血を拒否したりサリンを撒いたり仏像を破壊したり 学校で進化論を教えることを禁止したりするなど、 宗教の中に潜んでいるバグが引き起こす問題は深刻です。

私は、コンピュータのソフトと同様に、宗教も、 伽藍方式ではなくバザール方式で開発することによって、 バグが引き起こす問題の深刻さを 軽減させることができるのではないかと考えています。 しかし、 バザール方式で宗教を開発するためには 具体的にどうすればいいのかという問題は、 これから検討しなければならない課題です。 そして、この課題について検討するためには、 オープンソース運動について、 さらにその背後にあるハッカー精神について、 認識を深めることが必要なのではないかと思われます。 私がテックカフェに参加させていただいている理由の一つは、 オープンソース運動やハッカー精神について、 そこから何らかの知見が得られるのではないかと 期待しているからです。

というわけで、宗教を開発すること以外には 何の役にも立たない人間ですが、 今後ともよろしくお願い申し上げる次第です。

この記事を投稿した直後は、黙殺されるのではないか、 あるいは、 「空気読めよ」という類の反応が返ってくるのではないか、 と心配していたのであるが、それは杞憂だった。 私の記事に対して二通の返答の記事が投稿され、 それらはかなり好意的なものだった。

宗教の布教において、何らかの社会活動に参加するというのは、 きわめて効果的である。 ひょうごんテックメーリングリストへの投稿デビューは、 共存型一神教の布教活動において、 重要な通過点だったと言ってよいであろう。

*1 この日記の中にある、 「アジールとしてのオープンソース運動」 ( http://sonzai.org/2009/asyl.htm)というエントリーは、 第1回のテックカフェについての報告である。
*2 http://tcc117.org/hyogontech/
存在論日記2009年/ ひょうごんテックメーリングリストへの投稿デビュー
Last modified: Thursday, 22 October 2009
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